先代が病気になって、25年以上続いた個人事務所を、昨年法人化して共同代表となり、今年の4月に先代が亡くなりました。
これを事業承継と呼んでよいのかどうかわかりませんが、6ヶ月やってみて思うことを書いてみます。
先代の事務所
先代の事務所は、親からの2代目承継ではなく、勤務していた事務所から独立して、1人で立ち上げたものです。
当初、税理士会支部の事務局長をやり、その後支部の役員、東京税理士会の役員を務めて、紹介や友人関係などでお客さまを増やしていました。
税理士会務をやっていた関係で、夜の付き合いが多く、昼間に税理士業、夜にお酒の日々でした。
職員は1名いましたが、税理士ひとりでかなりの業務をこなしていたと思われます。
業務量の多さから、どうしても書類作成などは期限ギリギリに夜遅くまでやり、確定申告時期は事務所に泊まり込みまでしていたようです。
お客さまからの書類も、期限近くに1年分をまとめて預かっていて、いわば「力わざ」で仕事をこなしていたと言えます。
やってみて気づいたこと
先代が病気になり、自宅療養となってからは、とにかく、今までの仕事を期限までに終わらせることで精いっぱいでした。
出来上がったものを自宅へ見せに行ったり、判断に迷うものを電話で相談したりなどしながら進めていたので、本当に時間がかかりました。
それでも、お客さまにお願いして、書類をなるべく早めに送っていただいたり、少しでも早く仕事を進めたりして、期限よりも少し前に仕上げられるようになりました。
先代が亡くなってから、気づいたことがあります。
「判断してくれる人を失い、すべて自分で決断していかなければならなくなったこと」
書類作成・提出などの面だけではなく、お客さまとのかかわり方、業者との契約関係、事務所の経営や資金繰りなど、自分で何がより良いのかを考えなければならないことに気づきました。
幸い私はひとりではなく、パートナーの税理士がいるので、ひとつひとつ相談することができるので恵まれてます。
これからやりたいこと
先代が亡くなって6ヶ月、悩むこと、迷うことがたくさんありました。
でも、これからは前を向いて、自分のやりたいことを進めていきます。
私たちの事務所は、女性税理士2名、体力的にも厳しい年齢になってきました。
先代のような「力わざ」はできないので、計画して、早めに仕事を進めて、余裕を持てるようにします。
先代のように、紹介や友人関係からの仕事をいただくための夜のお付き合いも難しいので、ホームページの作成やブログなどの営業も始めました。
先代からのお客さまには、私たちのことを知っていただくために、「せいめい通信」という新聞も作りました。
少しずつですが、自分なりにできることを増やしていく予定です。
■編集後記
昨日は、秋分の日で祝日でしたが、今月期限の仕事が溜まってしまい出勤でした。
宣言したばかりなのに、期限が迫っていて、恥ずかしい限りです。
少しずつ頑張ります。
(記事担当:江原)