ドラマから考える競走馬の相続

ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』を観ています。

 

競走馬の相続

物語はとても素晴らしく、佳境に入り主題歌である玉置浩二さんの「ファンファーレ」が流れる頃にはいつも感動して涙しています。

物語の中で、ある人物の隠し子が、競走馬を相続することになりました。
ドラマらしい華やかな展開ではあるのですが、「あれ、実際にはどうなるんだろう?」と、ふと気になってしまいました。

隠し子でも相続人、そして「競走馬」は相続財産

まず、ドラマでも現実でも、婚外子であっても法律上はしっかり法定相続人です。
婚姻関係の有無で相続分に差はありません。
知されていれば、他の子どもと同じ立場で相続に参加します。
そして、その人物の遺した競走馬についても、特別なルールがあるわけではなく、法律上は動産として扱われ、他の財産と同じように相続の対象になります。

ここで気になるのが、馬主としての資格です。
JRAの馬主資格は、一定の所得や資産が必要で、誰でも名義人になれるわけではありません。
ただし相続に限り、馬主相続制度という特別な扱いがあり、条件を満たさなくても馬主になることができます。

さらに、馬主名義が個人なのか法人なのかによっても扱いが変わります。
個人所有であれば、その名義をどう引き継ぐかが課題になりますが、法人所有であれば馬そのものは会社の資産なので、相続は会社の株式のほうに影響が出ます。

現実はドラマよりずっと複雑

ドラマでは、亡くなった人物には会社や資産があり、相続人は隠し子を含めて4人という設定です。
現実に当てはめてみると、個人名義の競走馬なら4人の法定相続分に応じて共有状態になります。共有で馬主資格を維持するのは簡単ではありません。
代表者を決めたり、維持費や賞金の分配をどうするかなど、想像以上に細かな手続きが必要です。

これが法人所有の競走馬であれば、相続の対象は競走馬そのものではなく馬を含めて評価された会社の株式となります。
法人の資産として馬が存在し続けるため、運営は比較的スムーズです。
相続人4人が株式をどう分けるかが主なポイントになります。
ドラマの展開は、馬だけが隠し子一人の相続になるようなので、個人所有という設定だと考えられます。

対象の競走馬は、重賞レースを走るようなので評価額も高くなると思われます。他に遺産がたくさんあるようなので相続税も高額になるはずです。
ドラマの中では、あくまでも馬だけを相続するようです。
調教や維持費も高額で、馬だけを相続すると隠し子である大学を卒業したばかりの若者には相続税やその他の費用はとても払えるものではありません。
その分の現金も相続しないと払っていくことはできないでしょう。

とここまで家族に熱弁してみたら、「もうあなたはこのドラマをみなくていい」と呆れられてしまいました。
物語を楽しみながらもつい現実の税制度に思いを馳せてしまうのは職業病なのかもしれません

記事担当:相馬