納税資金を残しておく

昨日に続き、個人事業の確定申告について考えていることをお伝えします。

税金は利益の額を超えることはない

今年の売上が去年よりも多くなり、所得税や住民税が大きい金額になるのでは…と心配するケースがあるかと思います。

例えば、税金がかかる所得(事業の利益800万円―所得控除200万円)が、600万円の場合、
所得税は、約79万円
住民税は、約60万円
合計で、 約139万円 です。
(個人事業税は考慮していません)

所得 800万円 から 所得税・住民税 139万円 を引いた、約754万円が手取り額ということになります。

税金の額は大きいですが、利益の額を超えることはありません。得た利益のなかから、税金を負担しても、手残りの額は残るという理屈になります。

経費にならない支出

翌年の3月、確定申告時期になり、あれ?おかしいな…手許にそんなにお金は残ってないけど、と感じるかもしれません。

それは、先ほどの例で言うと、
754万円の手取り金額のなかに、事業の経費にならない支出があるからです。

事業の経費にならない支出には、個人の生活費や国民健康保険料、国民年金保険料、生命・損害保険料などがあります。

国民年金保険料は、年間1人につき約21万円、国民健康保険料は各市町村によって異なりますが、所得600万円の場合、約60〜70万円です。手取り754万円から差し引くと、残りは約660万円となります。1ヶ月にすると、約55万円です。

さらに、今年の売上が多くなって、手許にある資金が潤沢になり、それに応じて生活費も増えてしまうと、意外と手許にはお金が少ないことがあります。

毎月生活費として使える金額が、どのくらいなのかを、大まかに把握して、翌年の納税資金を残しておくことが大事です。

利益が大きかった翌年は注意

さらに、注意が必要なのは、所得税の予定納税です。

令和7年の利益に対する所得税が、翌年の確定申告で大きくなった場合、令和8年に、その年の分の所得税等の一部をあらかじめ納付しなければなりません。

予定納税の計算方法については、後日説明したいと思いますが、令和7年分の所得税の約3分の2の額になります。
令和8年中に、約1年8か月分の所得税等を負担することになるので、さらなる納税資金の確保が必要になります。

資金繰りは本当に大変です。翌年になってからではなく、今年のうちに対策をしておきましょう。

■編集後記
昨日は、税理士会広報部の仕事で、会員の先生の事務所を訪問しました。
他の先生の税理士事務所を拝見でき、良い刺激となりました。
フロアも広く、職員さんもたくさんいらして、活気のある雰囲気でした。
(記事担当:江原)