高齢者の預金引き出し

2年前に、実家の父が亡くなりました。
亡くなる前の銀行預金のことで、少し困ったことを書きます。

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預金引き出しの限度額

多くの金融機関は、認知症のリスクに備えるため、
預金引き出し等を制限しています。

・ATMでの引き出し制限
たとえば、1日の引き出し限度額が、
通常は50万円、70才以上は20万円まで、
などの制限が設けられています。

・窓口でのより厳格な本人確認
銀行によっては、
70才以上の方が10万円以上の預金引き出しをする際、
通帳、印鑑、写真付き身分証明書の提示はもちろんのこと、
取引の目的やお金の使い道について聞き取りをされることがあります。

実際に困ったこと

父は、亡くなる半年ほど前から、
自分が亡くなった後のお金のことをとても心配していました。

銀行に出向いて、
窓口で多めのお金を引き出そうとして、
行員さんに心配されたり、
ATMで、何日も続けてお金を引き出して、
数日してから、思い直して、また入金するなど、
同居の母がいつも銀行に付いていき、様子を見守っていました。。

91才でしたが、しっかりしている方で、
認知症の診断もありませんでした。
ただ、自分の死期を予感したのか、
入院費や母の生活費など、
まとまったお金が必要になるのではないかと考え、
お金の出し入れをしていたようです。

ATMの引き出し制限があっても、
1日ずつ引出を続ければ、大きな金額になりますし、
銀行窓口も、小さな店舗で顔見知りであったこと、
本人が、本人の意思で引き出したいとのことであれば、
断ることもできないといった状況でした。
家族信託なども勧められましたが、
本人がしっかりしているだけに難しい状況でした。

結局は、出したり入れたりを繰り返して、
少しまとまった額を、家に保管することになりました。
両親2人暮らしだったので、
強盗などに合わないかとひやひやしていましたが、
ほどなく寝たきり状態となり、
最後は、老衰で亡くなりました。

早めに家族で話し合いましょう

親が認知症になってしまった場合も大変ですが、
私の実家のように、
高齢だけれど、認知症の診断には至らない場合も、
しっかりしている時とそうでない時があり、
意外と本人が頑固で言うことを聞かないケースはあるかと思います。

高齢になる前から、家族で預金などの財産管理について、
よく話し合って、決め事をしておくことをお勧めします。