日本にチップ文化は広がるのか

最近、テレビで「日本でもチップ文化が広がっている」という特集を見ました。
訪日外国人が増えた影響で、日本でもチップを受け取る店が増えているというのです。

「チップ文化」は本当に広がっているのか

日本に旅行に来ている外国人は、日本のもてなしにチップを払いたがるそうです。

そんな人たちのために、都市部の飲食店やホテルではチップボックスを置いたり、注文端末に「Tip」の選択肢を表示するケースも出てきているとのことでした。

もっとも、日本全体でチップ文化が定着してきているかというと、そこは疑問です。
報道のように、一部の観光地やインバウンド比率の高い業態に限定的、という印象で、一般的な飲食店や小売店では、まだまだ不要が前提です。

そもそも日本には、古くから「心づけ」という慣習がありました。
旅館での仲居さんへの謝礼、家の工事作業員への差し入れ、医師への謝礼(現在は問題視されることが多いですが)など、完全にゼロだったわけではありません。
ただ、それはあくまで任意で、海外のチップとは性質が異なります

税務上の扱いはどうなるのか

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ここは職業柄、つい気になるところです。

チップは原則として「所得」です。
従業員が個人的に受け取った場合でも、給与に準ずる収入として扱われる可能性があります。

また、事業者が一旦チップを集めて従業員に分配する形であれば、いったん事業者の収入として処理したうえで、従業員への分配は給与や賞与、福利厚生費として扱われるケースも考えられます。

実務上の指針はあるものの、広くは浸透していないように思います。

もっとも、実際には少額・現金・記録なしというケースも多く、厳密に把握されていない部分のほうが多いのが現状でしょう。

チップに対する日本人の感情

日本は「サービスは価格に含まれている」という感覚が強い社会です。

だからこそ、海外のチップ文化に対して「払わないといけないのかな」「いくらが正解かわからない」といった心理的負担を感じる人も少なくありません。

チップ文化が広がるかはまだはっきりとはわかりません。
賛否両論の意見もあることでしょう。

ただ、チップがなくてもきちんとお客様におもてなしができる。
そんな日本の文化も大切にしたいと私は思っています。

■編集後記
この大切な時期に風邪をひいてしまいました。コロナやインフルでなかったものの、熱が出て会社を休んでしまいました。忙しい時ほど自己管理ができないといけませんね。反省です。
記事担当:相馬